豊富な土地と自然

1999年12月04日

by OUTSIDE

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畿央地域は、中部圏と関西圏、東西日本の結束点で日本の真ん中である、世界に誇る歴史文化と学研都市がある、災害が少ないなどと主張していますが、それだけではなく、土地や自然も豊富にあります。

畿央地域内の三重県阿山町には、広大な1400haの一団の国有林と、それに隣接してゴルフ場があり、初期段階には十分な土地がすでに確保されています。開発規制に関しても、三郷山国有林の南側が滋賀県立自然公園に含まれているだけで、他の国有林やゴルフ場には規制はありません。

このような広大な国有林があり、国会等移転公聴会で配られた「調査対象地域に係る関係府県の状況について」の表にも、畿央地域の土地は「三重県伊賀地域に1400haの一段の国有地」と正しく書かれているにもかかわらず、先日の読売新聞に審議会事務局の資料からとして、畿央地域の土地は「民有地と田畑」と掲載されました。これには何か裏があるような気がしてなりません。

さらに民有地として、エンゼルの森計画の跡地があります。エンゼルの森は、森永製菓が創業100周年記念の今年夏、上野市内の上野新都市ゆめぽりす伊賀に隣接してできる予定でしたが、バブル崩壊の影響で、土地を取得しただけで、工事にも入らず、今年計画が中止になりました。よって、この部分の広大な土地がまるまる空いたことになり、新都市建設のために活用できます。また、その他の畿央地域内の民有地についても、土地の権利関係がはっきりしてるので買収がやりやすいのです。

このほかにも畿央地域は、日本の原風景である田畑と里山などが豊富にある、自然環境の豊かなところです。豊かな自然といっても、特に希少な自然というわけではなく、全国どこにでもあるような林ばかりです。

環境都市の見本を目指す新首都市ですが、エネルギー源として水力、太陽光、風力等のクリーンエネルギーも利用されることになると思います。この中で、今注目されているのが、太陽光発電と風力発電ですが、移転先の選定にあたり、風力発電の可能性を重視すべきと考えます。

日照時間が半分でも、ソーラーパネルを2倍設置すれば、同じ量の発電が可能です。しかし、安定した風の吹かないところで風力発電を行うことはできません。しかし、新都市がいつも強風に見舞われているのではたまりませんから、新都市の周辺の山の上に、1年中安定した風が吹いていて、風力発電が行えるところが理想です。

畿央地域の南東の外れにある青山高原の笠取山では、その自然環境を利用して、現在4基の風力発電機が発電を行っています。この風車は、タワー高50m、羽根の直径50mの、東洋一の大きさで、新首都のシンボルの1つとなりえます。さらに20基の増設も予定していて、日本最大の風力発電所になる予定です。専門家によると、さらなる増設も可能だそうで、タワー高50m、羽根の直径50mの大型の風車が100基あれば、約16万人分の電力をまかなえます。同時に、年間約2万トンのCO2の排出を抑えることができるのです。

このように畿央地域には、歴史や文化だけでなく、土地も自然も豊富にあるのです。


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